About us
横山研究室では、人と、人が造った構築環境(建築・都市など)との関係の様態を、認知・行動の視点から記述し、設計の基礎として役立てる研究をしています。
人は長い年月をかけてかなり複雑な構築環境を造り出して来ました。その構成原理には、それを利用する人を特徴づけるさまざまな認知的・行動的要因が働いています。それを一つひとつ解き明かしていく研究です。また、どのような認知的・行動的特徴にどのような構築環境が対応するのか、あるいは対応しないのかを、実験・フィールド調査・アンケート調査をもとに検証し、具体的なデザインの提案や評価に結びつける努力をしています。研究にあたっては、特に人の多様性を肯定し、能力を高める環境を考えていきたいと思います。以上は利用する人の側からみた構築環境との関係ですが、一方で、複雑な構築環境はそれを計画・デザインする者の思考により創造されます。構築環境をデザインするときに人にどのような認知的制約がかかるのか、そしてその制約を超えるために必要な能力とはどのようなものなのか、その能力を発揮させるための適切なインストラクションとはどのようなものなのかについても研究しています。
この分野の研究は、共同研究者、研究協力者などの協力がないと達成できないことも多いため、横山研究室の院生はテーマに従って様々な内部外部の先生方からの専門的助言や支援をいただいています。これまででは、広域システム科学系の認知科学、生物、Computational Design の諸先生、関東学院大学、千葉工業大学、早稲田大学、東京電機大学などの建築計画の先生方、大阪教育大学等の教育学の先生方と研究の打合せの機会がありました。学際的に建築を考えるにはたいへん良い場所です。また、建築学専攻と広域システム科学系の院生が一堂に会して先生も交えてゼミで議論を戦わせることは、どちら院生にとっても刺激的な経験と言って良いでしょう。